骨髄線維症の治療とその選び方
骨髄線維症の治療
骨髄線維症には、
どのような治療がありますか?
リスク分類に従い、どのような治療が必要かが検討されます。
治療の種類
治療は主に、薬物療法、輸血、移植の3種類が行われます。
- 薬物療法
- 輸血
- 移植(同種造血幹細胞移植)
このほかに、放射線治療や外科手術が行われることもあります。
リスク別の治療法
- 低リスク・中間-1リスク
- 症状がない
- 定期的に通院し、進行していないか確認
- 症状がある
- 薬物療法・輸血
- 中間-2リスク
- 66歳以上で移植の適応がない方
- 薬物療法・輸血
- 移植の適応がある方
- 同種造血幹細胞移植・薬物療法
- 高リスク
- 移植の適応がない方
- 薬物療法・輸血
- 移植の適応がある方
- 同種造血幹細胞移植・薬物療法
主な薬物療法
薬物療法には、主にホルモン剤(副腎皮質ステロイド)と抗がん剤(JAK阻害薬、JAK/ACVR1阻害薬)が使用されます。
これ以外にも薬剤がありますので、薬物療法については医師や薬剤師にご相談ください。
副腎皮質ステロイド1)
炎症やアレルギーの改善、免疫抑制などさまざまな働きがある薬剤で、貧血の症状があるときに使われます。
JAK(ジャック)阻害薬1)
骨髄線維症の症状は、過剰に活性化しているJAKという酵素が主な原因です。JAK阻害薬は、この酵素の働きを抑える薬剤で、脾臓の腫れを小さくしたり、全身の症状を改善する作用があると考えられています。
JAK/ACVR1(ジャック/エーシーブイアールワン)阻害薬
JAKの働きを抑えることに加えて、骨髄線維症に伴う貧血に関わるアクチビンA受容体1型(ACVR1)の働きを抑えることで血液中の鉄分を増やし、造血を促す作用があると考えられています。
輸血
赤血球が減少して貧血の症状が進行したときに、赤血球を輸血します。
長期にわたって輸血を繰り返すことで、体の中に過剰に鉄が蓄積されて臓器障害が起こることがあるため、定期的な血液検査が必要になります。
また、血小板が少なく出血症状がある場合に、血小板を輸血することもあります。
移植(同種造血幹細胞移植)
正常な血液細胞を造れなくなった患者さんに、健康な人(ドナー)から提供された造血幹細胞を点滴で投与して、血液細胞を造る機能を正常化する治療です。ドナーは患者さんと、白血球の型が一致している必要があります。
移植の前には、強力な抗がん剤や全身への放射線照射を用いて、異常な造血幹細胞を壊すための治療(前処置)が必要になります。移植の後には、移植された造血幹細胞に対して、拒絶反応が起こることがあります。
前処置による体への負担が大きいことから、適応については慎重に検討されます。
治療中に気持ちが落ち込んだら…
「治療の効果が感じられない」「落ち着いていた症状がまた出てきた」「医師から再発を告げられた」など、治療が思うように進まず、気がめいることもあるかもしれません。
落ち込んだときは、自分なりの気分転換法がある場合は試してみたり、家族や友人など話しやすい相手に話を聞いてもらったり、病気について、医師、看護師、薬剤師、院内カウンセラーなどに相談してみましょう。
1)赤司 浩一 他: 骨髄線維症診療の参照ガイド第7版 令和7年度